旧家を解体して出てきた問題をプラスに変えるアイディアと知識に脱帽でした。
概要
- エリア
- 佐久市
- 家族構成
- 夫婦・子供2人
- 工事内容
- リノベーション
中古で購入し家族で住み継いできたマイホーム。思い出の詰まった家も築35年となり、リノベーションのタイミングを迎えました。夫婦2人の暮らしをベースに間取りを変え、北欧モダンな空間に生まれ変わったS様邸を、ライター馬場が訪ねました。
生活の質が上がり、家にいるのが楽しく、掃除や家事、草むしりさえも楽しくなりました
S様は田中社長夫婦のご親戚で、ご主人は現役の大工さん。田中社長と現場主任の祐次さん、そして大工のSさんがタッグを組んでリノベーションした住宅です。
「子どもたちは進学や就職で家を離れたので、夫婦2人の暮らしをベースに、1階を全面改築しました。玄関の正面にあるトイレを移築したい、薪ストーブを入れたい、キッチンを対面式にしたい、2間ある和室を1部屋にしたいなど、希望を伝えて図面を書いてもらいました」
奥さまの好きな「北欧モダン」をコンセプトに、ナチュラルテイストに淡い色調を添えた居心地の良いメインフロア。リビングには奥さま希望の薪ストーブを設置しました。ストーブの周辺は土間になっていますが、実はこの土間、旧家を解体して出てきた問題点を活かしてのことだそうです。
「解体で床を剝いだらコンクリートという造りだったので、社長のアイディアでそのまま土間として活かしました。他にも、構造上抜けない柱はデザインとして空間に溶け込む間取りにしたり、解体して出てきた問題をプラスに活かすアイディアと知識に驚かされました。大工としていろんな現場をやってきましたが、知らなかったこと、気付かされることがあり、同業者としてよく勉強しているなぁと感心しました。知識の豊富さが安心感につながったと思います」
「使えるものは再利用」をテーマに、サッシは既存のものをそのまま使用しました。
壁付けだったキッチンは、ペニンシュラ型の対面式に。お料理好きな奥さまの希望が余すことなく映されています。
「ワークトップの高さ、収納や広さなど私の希望通りです。子どもは男の子2人で大きいので、帰ってきたときキッチンでのすれ違いが容易にできるよう空間を広く取りました。出番の少ない調理家電や料理本を入れられる収納棚、土付きの野菜を置いておける土間収納は本当に便利。収納がたっぷりあるので食器棚を置かなくてもいいところも気に入っています」
ペニンシュラ型の対面式キッチン
緑いっぱいの庭を見ながら調理ができる明るく開放的なキッチン
家電などを置く造作のデザインカウンターもインテリアとして馴染むようちょっとオシャレにご提案。
一緒に暮らす2匹の愛猫のための工夫もされています。ダイニングには傷をつけられても塗装で簡単に補修できる腰壁を採用し、自由に部屋を行き来できるキャットドアも造作しました。
建築中、土日はご主人を手伝い奥さまも一緒に現場作業を行ったそう。ちょうど帰省していたご長男も柱を入れる作業を手伝うなど、家族で手をかけて完成させました。
「想像以上のセンスのいい家になりました。思い通りになって良かったし、住んでみたらもっと良かった(笑)。冬は薪ストーブのおかげでとても暖かく、炎のある暮らしに癒されました。生活の質が急激に上がったような感じです。親戚の贔屓目なしに、お客さんの希望をしっかり吸い上げてプラスの提案ができる工務店だと思います」
ウッドデッキとつながるダイニング。庭仕事の合間にお茶を飲んだり、一息つける場所になりました。
リノベーションしてから自然と家にいる時間が増えたそうです。
「家にいるのが楽しくて、掃除や家事、庭の草むしりさえも楽しくなりました」とうれしそうに話す姿に、これから始まる豊かな暮らしがうかがえました。
文責 ライター・馬場あずさ